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悲しみに満ちた ”清冷浦(チョンリョンポ)”
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”清冷浦(チョンリョンポ)” は西江の豊かな流れと 断崖絶壁に四方を囲まれた
まさに ”陸の孤島” という表現がピッタリな場所です。
対岸までは僅かな距離だけれど、清く深い流れは舟を使わないと渡れません。
「悲運の王」と呼ばれる李氏朝鮮6代目の王 ”端宗(タンジョン)” の
切なく悲しき伝説が、この場所には残されています。

李氏朝鮮の王としてすぐに名前が浮かぶのは、10,000W紙幣の肖像であり、
”ハングル” を制定した 4代目の王 ”世宗(セジョン)” です。
その偉大な王 ”世宗” の亡き後、悲しき世襲争いが始まりました。


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”世宗” の長男である ”文宗(ムンジョン)” が 5代目の王位に即位するも、
わずか2年で病に倒れ、38歳の若さでこの世を去ってしまいます。
何事もなければ ”直系の第1王子(長男)” が世襲する時代!
ここは当然、”文宗” の長男 ”端宗” が 6代目の王に即位することに・・・。
父が38歳ならば 子は11歳!”幼い王” が誕生したのです。

李氏王朝時代の中でも比較的安定して、文化も華咲いたこの時代!
江戸時代の ”大奥” のように、王の寵愛や世継ぎ問題をめぐって
ドロドロした ”女の愛憎劇” も繰り広げられました。

そう!韓国ドラマ通なら、ご想像のとおり!
”文宗” の弟 ”世祖(セジョ)” が、その王位を虎視眈々と狙っていたのです。
即位から 3年ほどで ”端宗” は、妃である定順(ジョンスン)王后をソウルに残し、
この陸の孤島に流刑の身となります。
清渓川の 「永渡橋」 は、二人が引き離された橋だそうです。


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”清冷浦” の松林を抜けると、『端廟在本府時遺址』 と刻まれた石碑を守る堂と、
端宗が暮らした御家が再現されています。
「こんな場所に一人きり?何だか 物寂しい気持ちになるね・・・。」
さらに奥に向かうと、天然記念物にも指定されている 高さ 30m、周囲 5m!
樹齢 600年を超える ”観音松” を見ることができます。

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幼い ”端宗” は二股に分かれたこの巨木に腰掛け、泣いていたとか・・・。
流刑の身となった ”端宗” の姿を見守り(観)、その嗚咽を聞いていた(音)
ということから 『観音松』 と名付けられたそうです。

この事態に反発し、”端宗” の復位を密かに計画した者もいました。
ハングル創作に尽力した6人の学者たちで、結局は失敗・・・
この忠臣が ドラマにもなった 『死六臣(サユッシン)』 です。
”端宗” を流刑にした後、7代目の王に即位していた ”世祖” は反逆を恐れ、
学者たちはおろか ”端宗” まで 賜薬を飲ませ殺してしまいます。

わずか17年間の ”薄幸な生涯” でした。

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さらに ”端宗” の悲劇は続きます。
謀逆罪で殺されたその亡骸は、そのまま川岸に捨てられたのです。
さすがにその悲惨な状況に、寧越の豪壮 オム・ホンドは見兼ねたのか?
「”端宗” の亡骸に関わった者は、三族を滅ぼす!」
という ”世祖” の厳命にも関わらず、密かに引き上げ埋葬しました。
ただ 謀逆罪を恐れ、その地を明らかすることなく 潜伏・・・。

長い月日が流れた後、”端宗” の亡骸は発掘されます。
11代目の王 ”中宗(チュンジョン)” の王名によって墓が作られ、
荘陵(チャンヌン)という廟号を受けました。
朝鮮王朝27人の王のうち、国葬が挙げられていないのは ”端宗” だけ!
まさに 「悲運の王」 です。

とはいえ 「悲運の王」 と呼ばれながらも、600年後の現在でも供養祭が行われ、
絵本、ドラマ、映画・・・最も ”心に刻まれた王” の一人に違いありません。
by hi_nana3 | 2009-10-25 19:02 | ★BlogKorea!Camp!
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